砂のオンナ

もうロンドンよ、いま。

トム・クルーズみたいなバーテンダーがいたら ワタシいくらつぎ込んじゃうんだろう

素敵なバーに連れて行ってもらった
 
店ではソウルミュージックが流れ
コンセプトをしっかりあらゆるところに巡らせていて
絶妙なバランスをとっている素敵なバー
 
なにより暗い
 
見たくないものを見なくてすむのは良い
私がカワイイからと席に着いた途端
色目を使ってくる殿方のけもののようなカオを
見なくてすむのは良い
 
ただ老眼の私にとっては死活問題だったけど
 
わたしたいものがあるとプレゼントを頂戴したのだが
それがなんなのかフォルムしかわからず
指の感覚を頼りに
「これは、、、やわらかいわ。キャップがあるわね、ハンドクリームかしら。」
当てっこしたくらい暗い
 
奇跡の人か、わたしは
 
それでも牙を剥いた狼たちの(以下省略)と
たまらない雰囲気には代えがたい
 
なによりバーテンダーさんがつくってくれるカクテルが
どれもどれも美味しくて
 
わたしが好んで飲むのは
ジンライムかウィスキーロックばかり
たまには違うものを頼んでみた
 
嘘をついた
 
「なんとなく気分を変えたくて」っていう
わたしはそのつもりはなかったんだけど
わたしのなかのバイブスが
わたし自身を突き動かしたとかって
なんかカッコイイかなっておもった
 
だから嘘をついた
 
本当はバーに連れて行ってもらうと聞いてから
絶対頼もうとおもっていたものをオーダーした
 
ドライ・マティーニ
 
これだけ長く生きてきたのに
なぜか一度も口にしたことがなかったカクテル
でもその存在は絶対王者的にわたしの脳裏に刻み込まれてるカクテル
 
だけれどそもそもマティーニって何ベースなのかもわからない
ただただオリーブをいやらしくスティックを
つかってなぶりたいだけの
邪なオーダーとはウラハラに
わたしはバーテンダーさんがつくるドライマティーニを愛してしまった
 
いまでも目をつぶるだけで
味を脳内で再現できるくらい
 
あぁ、あの味求めて
また今夜も足を向けてしまいそう
 
イイオンナには
おいしいドライ・マティーニ
 

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