砂のオンナ

もうロンドンよ、いま。

わたしとコーヒー

曇り空を眺めながら
コーヒー飲みたいと思い
「美味しいよ」と頂いたコーヒー豆の袋を開けた

淹れ立てのコーヒーの香りが
部屋に充満していく瞬間が好き

幼少の頃
母はコーヒーが好きでよく飲んでいた
ほっと一息付きながら
美味しそうにコーヒーを飲む母の表情をみて
わたしも飲んでみたくなった

飲ませてとせがんだものの
とても飲み物としてこの世に生を受けたものとは
思えないくらいのその味に
大人のすごさが身に染みたものだ

成人を迎え、30歳を超えたときにでも
なんちゃらフラペチーノというモドキにときめいたり
カプチーノ泡フワフワぁとかわいこぶったりしていても
ブラックコーヒーだけは
ゆるふわのわたしは頑なに受け入れることができなかった

40歳を迎えたころからだろうか
まるで『この店の食材はすべて貪ってやる!』かのように
飲み食いした食事会のラストには
ブラックコーヒーが飲みたくなった

気付いたら自分の部屋でも
コーヒー豆を挽いて飲むになった

なんとなく今日みたいな天気の日には
コーヒーが飲みたくなっていた

この世のものとは思えず
敬遠していたはずのコーヒーを
いつのまにか わたしは
好きになっていた


わたしとコーヒー

 

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