砂のオンナ

もうロンドンよ、いま。

かもめが翔んだ日

久方ぶりにケガをした

雨上がり
曲がり角にあったマンホールに
自転車の後輪をとられて
スリップ アンド ダイブ

自宅からわずか50mの曲がり角で ダイブ

若かった頃なら もしかしたら
パパパとジャンプしてどこもケガもなく
「あっぶね、自転車壊れてねーかな?」
くらいで済んだであろうスピードで

ダイブ

(あ、これ、転ぶのでは?) と気付いたときに
いの一番に思ったのが

アタマダケ ハ マモラナイト

ううん、ちがうよ
これ、お酒とエロと音楽が交差するセクシーイベントの新名称とかじゃないよ
ババアが咄嗟に思った「命」に対する真摯な態度
それがアタママモラナイト

とはいえもう自転車からダイブした時点で
初速度とか落下運動とかそこらへんの法則に身を委ねるしかなかった
おもっただけでなにもできなかったの
もうちょっと物理勉強しておきゃよかったな

けれど勉強しなかったことが逆によかったのかも
変に抗って 体を捻って強く後頭部を打つとか そういうの求めてなかったし 無かったし

まぁその結果 思わずついた手の次に顔から着地するとかは
わたしぜんぜん聞いてなかったけれど

鼻の頭と唇と口の中
流血しながらダンスフロアーで踊っていたのは
あたしひとりだけ それがアタママモラナイト

「マダム、キズモノになっちゃったね」
ってパートナーの気の利かない慰めに
じょうずに言葉を返せなかった

それがアタママモラナイト

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笑って許して

寝起きに昨晩おうちで深酒したときの白ワインが少し余っていた
なんとなくそういうのって嬉しいよね

デリバリーピザを多目に頼んで余った翌日のランチピザ
冷凍庫にあった箱あけたら一個だけ残ってたピノ
テロテロになった翌朝のフライドポテト

部屋で散らかったお皿とかグラスとかお片付けしながら
ちょっとだけ余った白ワインを ボトルからあとで呑もうってタンブラーに雑に移した

右手に片付けるお皿
左手にウマウマワイン入ったタンブラー

それもってキッチンに

キッチンシンクにお皿をおいて
そのあとタンブラーに中身が入っていたから なにも考えずにその中身をシャってシンクに捨てた

白ワインはいってたのにシャって捨てた
呑もうとおもって注いだ白ワインなのに
マダムさんったら呑まずに捨てた

シャッ

2階の自室でタンブラーに注いだときは呑むつもりだったのに
1階のキッチンに着いたらワインのこと消え去ってた
お皿を片付けたからタンブラーの中身も片付けてって脳が指示した

シャッ

これが老化
こっちをやったらあっちを忘れる
加速度的に進行していく思考の一本化

でも、それすら愛おしいと思えてからが
ネクストステージ

Teenage Dream

最近ものすごく夢を見る。

内容は、春だからか、元来の夢女子気質スキルがあがったのか、ほぼ自分が主人公の恋愛絵巻。 恋愛っていうか性愛、セクシャルラブ。 おぼこい自分にはそれを表現する手法をもっていないくらいのことを、その絵巻の中でさせている。

あと登場人物はほぼ実在の人物。 芸能人とかじゃなくて、職場のひとや、知人、通勤中にみかけるアノヒトや、昔チョメチョメ手前の憧れの殿方とか触れようとおもったら、実際に触れられる距離感のひとたち。 あ、通勤中にみかけるアノヒトたち、向こうは自分の事をぜったい意識してるだろうけれど、面識はないのだから、突然触れたら、ダメよね。それがエチケットよね。

だから基本的に朝目が覚めると、多幸感に包まれている。このご時世、月曜日の朝に笑顔で「太陽さんおはようございます」とかカーテン開けて第一声に言えちゃうくらいの多幸感に包まれて毎週起きてるとか、寧ろ心配されるくらいの多幸感。

それにしても求愛行動中でもあるまいし、夢絵巻の頻度が多いのは、これはもはや私の問題ではなくて、なにかパワーラブ・アイテムみたいなものを無意識に購入してしまったんではないかって思い立った。

部屋を見渡してみる。

めぼしいものはない。ここ2週間で購入したものってコーヒーメーカーくらい。 「じぶん一人の時間がないとダメなほうっすから」って都内東横線沿いのワンルームをスタイリッシュに彩らせたい殿方が購入するようなのじゃなくて、ほんと機能性重視の無骨なコーヒーメーカー。

でも愛読書、イオナイオナ先生が小学生に語ってた。 コーヒーには催淫効果があるって。 そうね、たしかに、それかもしれない。 だからあなたも買ってみるといい。無骨でもスタイリッシュでもなんでもいいからコーヒーつくってくれる、コーヒーメーカー。 意中のアノヒトに夢の中でとんでもないことさせられるかもしれないから。